平日は都内でコンサル、週末は新潟で農業をする僕がデュアルライフを進める理由

「デュアルライフ」という言葉を聞いたことがあるだろうか。

デュアルライフとは、2つの地域に拠点を持って生活をする新しい暮らし方を指す。

東京でコンサル会社に勤める伊藤さんは、3年前から知人の松浦さんの声かけで、週末だけ新潟で農業をするという生活をしている。

今回は、筆者も新潟で稲刈りに挑戦!

稲刈りの体験を提供している新潟在住の松浦さんと、その協力者の伊藤さんに活動にかける思いやライフスタイルについて話を伺った。

松浦さん:新潟市内にあるデザイン会社で働く。グラフィックデザインやウェブデザイン等、デザイン全般を担当。3年前に自身の祖父が持つ田んぼを引き継いで、週末は市内から2時間ほど離れた「安塚」で、稲作を行う。

伊藤さん:平日は都内の某コンサル会社でクライアントの業務改善/システム導入をメインに働く。デスクワークが基本。入社3年目。週末は松浦さんと一緒に農業に勤しむ。

平日は東京でコンサル、週末は新潟で農業

活動を広めるために、ご自身もカメラを持って撮影をする松浦さん(右)

ーいやー・・・。稲刈りって楽しいですね。とっても新鮮。この活動は3年前からやられているとか。どのようにしてこの活動が始まったのですか?

伊藤:3年前僕が大学生の時に、松浦から急に電話かかってきて「ちょっとさ、お米作らない?」って言われて。笑

ー突然(笑)

松浦:そう、突然(笑) 

当時、僕の祖父母がやっていた田んぼが空いていたんですよ。その田んぼは1年間、休耕田になっていたんですけど、なぜか米があって、たぶん前の年の種かなんかだと思うんですけど。

何もしていないのに育っている稲に、すごくエネルギーを感じたんですね。そのエネルギーに触れて、自分が生きていて、その生きるっていう営みの自分の手で作れるところは作りたいなと思うようになって。それって、まずは食べることからだと思って。2015年の秋頃に僕が田んぼをやることを考えはじめ、2016年の春に伊藤に声を掛けたんですよね。

当時の事を振り返って笑う伊藤さん(左)

ー伊藤さんはもともと農業に興味があったのですか?

伊藤:そうですね。自分はその時がちょうどコンサル勤務が始まるタイミングだったんですけど、自分の中で「自分を客観視できる環境は仕事とは別にもっておきたいな」ということはずっと思っていたんです。

僕は1年大学を休学していたので周りの皆より社会人になるのが遅かったのですが、既に社会人として働いている知人を見ると、会社という限られた環境にいると、どうしてもその環境に(良くも悪くも)染まってしまうのだなと

その事実を知った時、自分は会社とは別に、自分自身と向き合う環境を持っていたいなと改めて思って。環境をいくつも持つことは大切だなって。

そんな時に、松浦から「お米作ろう」って電話がかかってきて(笑)

実際にこの田んぼに足を運んだ時に「あ、なんかここはそういう場所だな」と感じて、やろうと思ったのがきっかけですね。

ー東京都はまた違った意味で自分を客観視できる環境だったと。とはいえ、突然新潟で活動を始めるにあたり、迷いはなかったのですか?

伊藤:全くなかったですね(きっぱり)。

例えば仕事が1日8時間とすると、仕事以外の時間は16時間あるわけじゃないですか。仕事の時間は人生の3分の1に過ぎなくて、3分の2をどう過ごすかっていうのは凄く重要なことだと思っていて。

今を楽しく生きるという事にフォーカスしたときに、生きるための「食」とかって大切だよなってもしそこに自分が携われたら、見方とか考え方が変わるんじゃないかと思ったんです。だから、そこに何の躊躇もなく「やろう」ってなりました。

週末農業は、今を楽しく生きるための手段のひとつ

一緒に稲刈りをしていたおばあちゃん。とっても元気!

ー仕事以外の環境を作りたいということで、新潟で農業をされているとのことですが、農業も、人によっては「仕事」になると思います。そこについてはどのように考えていますか?

伊藤:それで言うと、自分が東京でやっているコンサルも新潟での農業も「仕事」って言われると、あんまりそういう感覚はないんですよね。

自分にとって「仕事」という言葉って、今を一生懸命とか楽しく生きるための手段のひとつを表している感覚ですね。そして(人生を楽しむ)手段は1個である必要はないと思っていて、プロジェクトのような形でいくつかあるのが自然だと思います。

お金が発生するのが仕事、しないのは仕事じゃない、とかそういうのはないです。

もちろん、そのバランスは考えていく必要がありますが。

ー従来、「金銭を得て労働をすること=仕事」という認識が一般的だと思いますが、伊藤さんは、表面的には労働に見える稲刈りといったことを、労働というよりは楽しく生きるための手段と捉えているのですね。

ー新潟でこの活動を続けることの価値ややりがいはどのようなところにありますか?

松浦:誰でもすぐに距離を縮める事が出来る事ですかね。最初に、「あ、初めまして、どうも~」みたいによそよそしい感じでも、こう、田んぼやってみたりとか、一緒にお酒飲んだりとかして。そうすると帰る時にはみんな友達みたいに仲良くなる(笑)ここで会った人たちとはフラットに議論ができるので、自分自身の生き方や考え方と対峙できるということも、すごく価値だと感じています。

参加者同士の方も、稲刈りを通して親睦を深めている様子。

伊藤:ここで出会う人たちとか、それを通して話すこととかって、すごく素敵な時間ですね。

ー確かに、一緒に(稲刈りという)生産活動をすることで、距離がグッと近くなった気がします。緊張が解けてきた気が(笑)

松浦:参加する人は、普段は東京に在住して働いている人も多いのですが、僕はすごく「掛け合わせ」が大切だと思っていて。

ー掛け合わせ?

松浦:僕たちの活動は始めてから3年が経つのですが、続けているうちに、新潟在住の人と、東京から来る人と面白い融合が生まれているんですよ。活動が面白いと言って人が集まってくれて、そこに更に共感してくれる人が集まって、また新しい活動が生まれたりする。

そうやって様々な人の思考を「掛け合わせ」る事で、この安塚というエリアにまた新しい価値が生まれるんです。「移住しなきゃいけない」とか「絶対的に関わり続けないといけない」っていうハードルじゃなくて、もっとゆるやかで、「ちょっと面白い事やってるから行ってみようかな」ってぐらいの存在でありたい。

関わる人が生き生きとしてくれる場を提供していきたい

ーその共鳴に共感する人が集まって、この活動も3年が経過されていますが、これからの展望をお伺いしたいです。

松浦:正直、この活動の将来の事はあまり具体的に考えていないんですよ(笑)

ここに自分がいて土に触れたり人と会ったりして話をするだけでも、新しい刺激があって、また先を考えるというか、ワクワクする時間があってそれが僕自身を生き生きさせるようなきっかけになっているので、僕はそこがあればどうなってもいいですね。ここに来てくれる人たちが、生き生きして帰ってくれればそれでいい。そういった、人の生き生きとしたライフスタイルっていう視点を置いた村づくりというか、場づくりには興味がありますね。

伊藤:僕も(松浦さんの考えに)凄い共感していて。人生って人との繋がりで出来ていると思うので、そうして人が交われる場を提供できるのは、とても価値あることですね。

将来この活動がどのような形になるのかはまだはっきりとは決まっていないのですが、場を提供することで生まれた「つながり」を、後輩とか、下の子たちに繋げていって、つながりの連鎖を創っていきたいっていうのは最近凄い考えています。

週末に新潟に行ってみよう!!

松浦:新潟にいる人ってなぜか「新潟、なんもないんで!」みたいに言う人が多くて。

でも実際は、知れば知るほど抽出すべき価値が沢山ある。例えば週末に稲刈りに参加してくれた人が、そうした価値に気づいていって、どんどん輪が広がっていくそうすれば、新潟での暮らし方っていうのも、皆が何もないって言って思っているよりも、すごく価値のある暮らしができると思っています。

ー確かに、私も初めて新潟に来てみたのですが、東京から片道2時間でアクセスがしやすく、訪れてみて初めてこの街の魅力を知れた気がします。

松浦:東京と新潟といった2つの場所を見比べる事で見えてくることもあると思っていて。今の社会に対しての違和感だったり、自分の今の生き方に対しての違和感だったり、その問いに対して、自分なりの答えやアクションを起こしていくと、自分の人生がなんか変わっていくというか、その流動性が楽しいですよね。

伊藤:この記事を読んでいる人にも、新潟に遊びに来て欲しいですね。

お二人の真剣な思い、伝わります。

ー新潟weeeksぜひやりましょうよ!

松浦:ぜひ!新潟の安塚を僕がニュートラルに案内します!農業でも、使い方を考え続けている古民家を案内するのもOKです!

今回筆者の事もあたたかく迎え入れてくれた松浦さん!

ということで、週末weeeks@新潟企画が決定!日程決まり次第報告します!

2時間でサクッといけて触れる自然、是非2人に直接お話を聞いてみたい、活動に触れてみたい、新潟に行ってみたい方、試してみてください^^

たまには都会を離れてみることで、何か新しい気づきを得られるかもしれません。

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