戦略的金髪にオフィスも家もない生活。事業売却後に選択した新しい生き方とは

チームビタミン」という会社のようなユニットを知っているだろうか。

代表の高梨(写真右)高松(写真左)は、4年前に一緒に経営していた会社のバイアウトを経験。そこから世界放浪の旅に出たのちに、2年前に再結成して「チームビタミン」を立ち上げた。

「雇用をしない」ポリシーを持ち、利益度外視でスタートアップのマーケティング支援を行っている。

 ーバイアウト経験者で、マーケティングのプロ

かっこいい肩書きだが、彼らを表現する際に、まったく別の肩書もある。

 ー家もオフィスもない二人組

世の中のあたりまえに縛られず、次世代のライフスタイルを楽しむ人に焦点をあてたメディアをつくりたいー。Whyはそんな思いから始まった。

 「これで生活してます」と、リュックサックと小さいキャリーケースを持って取材場所に現れた2人。聞けば2年も前から家もオフィスも持たない生活を送っているという。

Why記念すべき第1回目は、そんなチームビタミンの哲学に触れてみた。

敷かれたレールからの脱却としてスタートアップの道へ

ー行きつけのお店で取材したい!とわがままなご要望を聞いて下さり、ありがとうございました。ところでここは何料理屋さんなのでしょう?笑

高梨:ここはネパール料理屋です。ちなみにネパールって行ったことありますか?

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ーないです。

高梨:僕たちは世界を放浪していたことがあるのですが、その中でもネパールは特にお気に入りの場所で。今回もその話が出来たらいいなと思って、このお店を選んでみました。

高松:ここ、料理も本当においしいんですよ!

ー世界を放浪って素敵ですね。ところで、何で世界を放浪していたのですか?

高松:そしたら簡単にまず、私たちのこれまでの経歴を話しますね。

焼酎の炭酸割がお好きな2人。

高松:私たちは、4年前までHRメディアを運営する株式会社リジョブを創業メンバーとして経営していて、4年前に株式会社じげん(東証一部)にバイアウトする経験をしました。

ーバイアウト!!凄い経験ですね。

高梨:凄いかどうかはさておき、貴重な経験ではありました。この身なりでバイアウト経験者と聞くと、子供時代からやんちゃで突飛な感じに想像できるかもしれませんが、THE日本人みたいな人生を歩んできていて協調性もありますし、レール乗ってきた感というか。

元々僕はリジョブに入る前、医療関係の家庭に生まれて、親族に公務員がいたりと、比較的固めの環境で育ちました。その延長で、大学3年までは公務員試験受けるために予備校とか行っていました。

でも、ある時ふと「このままで良いのかな?」って思うようになって。それからスタートアップに興味を持つようになり、インターンとして、リジョブの前身スタートアップに入ったのがきっかけですね。

高松:私は、25歳まで美容師をしていました。

ー美容師!?全然違った業種ですね。

高松:そうなんです。実は美容師のままオーナーになって独立して、というキャリア選択もあったのですが、それでは将来設計が見えすぎていてつまんないなと。ですが、当時は美容師からのキャリアチェンジは選択肢がとても限られていたので、どうしようか悩んでいました。そんな時、突然知らない人からmixiで怪しいジョブオファーのメッセージが届いたんです。笑

私がmixiの自己紹介に「転職」というワードを入れてたから引っかかったみたいで。なので、とりあえずオフィスに行ってみたんですね。

ーおお!行ったんですね。笑

高松:行ってみると、みんな20代前半とか大学生とかばかり。ホットペッパーみたいなクーポンサイト運営をしていて赤字で、なにもかもがカオスすぎて未来が見えないという。笑

普通ならそこで敬遠して終わりかもしれませんが、私はそれすら面白そうだと思い、入ることにしました。そして高梨と一緒に従業員を200人抱えるまで成長させ、バイアウトの流れとなりました。

情報の角度を変えろ

ーなるほど。経緯はわかったのですが、なぜバイアウトを経験してから世界放浪に至ったのでしょう?

高松:私はとにかく日本から出たかったのもありますが、得られる情報の角度を変えたかったのが一番の理由です。

ー情報の角度?

高松:バイアウトを経験するまでは、資本主義ど真ん中で生きていました。走り続けなければいけなかった。だからこそ、バイアウトの経験が全てをリセットして立ち止まるきっかけになりました。

そしてそれを機に、自分が触れる情報を意識的に変えました。それまでは、何かしらの言い訳をつけて興味ある知りたい情報にしかリーチしていなかったのですが、それだと自分が狭い世界にいるような違和感があって。

趣味嗜好関係なくひたすら本を乱読して、新しい情報・価値観に触れる事を意識しました。その経験が、自分の選択を変えましたね。それで、世界放浪の旅に出ました。

ー異国の地に行くと、得られる情報もすべて変わりますものね。高梨さんは、なぜ世界放浪の旅に出たのですか?

高梨:僕はどちらかというと、バイアウトを経験した際になんか燃え尽きちゃって。中二病じゃないですけど、利益中心で物事を考えることは僕には合ってないなと。自分の心が荒んでいくので。笑

僕にとっての価値は信頼できる人のネットワークだなと。人を繋いだりして拡張していくことがとても自分の性格にフィットするのかも、とか。そんなことを考えていて、一度資本主義的な環境から離れて客観的に世界を見てみたいなと思い、世界を放浪する事にしました。

世界放浪中は、都市を1週間くらいずつ転々とする生活でしたね。自分では「アドレスホッピングナイト」と呼んでいます。今の家やオフィスを持たない暮らしも、その延長ですよ。※アドレスホッピングとは、住所を転々と変える事の意

ーお二人は一緒に世界を放浪していたのですか?

高松:最初は高梨とは別行動だったのですが、お互いの価値観が近い事もあり途中で合流しました。

高梨:高松と一緒にニューヨークを訪れた際、アメリカの大統領選挙の時だったんですけど、当日はトランプに決まってすごい盛り上がったのに、翌朝は何事もなかったかのように世の中が普通に動いていて。もちろんデモとかはありましたけど、街は日常を取り戻してるようにみえました。そんな光景を目の当たりにして、何か大きなことが変わっても人は適応していくし、自分ごとのようで他人事、逆もしかりだという事を学びました。

そんなことを考えてたら、自分が好きに生きていいんだなと思うようになって、自然と何かしたいなと思えるようになったのがこの頃だったと思います。みんな違って、みんないいというイメージです。

楽しさを犠牲にする資本主義への違和感

ーバイアウトを経験されて新たに再出発されている今、チームビタミンとして心がけていることはありますか?

高梨:戦わないやり方をする、と決めたことですかね。

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ー戦わないやり方?

高松:資本主義的な考えで外せないのは競争と淘汰だと思うんですけど、多分性格的に私たちはマッチしてないんですよね、自分たちの気持ちがすさんで行ってしまうんです。笑

高梨:根底に2人ともお金を中心に考えるのは違うな、という違和感があって。だったら、好きな人と好きなことをビジネスにしていって、それで生まれた利益やネットワークを、更に人に繋いでいくというループのほうがいいなと。お金ではなく「好き」や「興味」中心ですね。

高松:お金よりも人との繋がりが大事なんです。だからこそ私たちは「雇用しない」と決めていますそもそも、雇用関係というのが資本主義のルール上にあるもので。なんで時間が拘束されたり、給料を決められたりしないといけないの?と思うんですよね。もともと資本主義は奴隷制度からできたもので、搾取モデルなので、わたしたちが望む「繋がり」の形ではなくなってしまう、もっと違う形があるんじゃない?とも思っていて。

あ、決して資本主義的な考えや行動を否定している訳ではないですよ。それが全てではないよねっていうことです。資本主義は、経済を伸ばす上ではとても良いシステムだと思います。だから、相手が資本主義的な考え方だったらそれを尊重して、私たちの価値観を強要するようなことはしないです。

高梨みんな違ってみんないいというマインドですね。

金髪は生きやすくするための戦略

ーお話を聞いて、お二人はすごく世の中を客観的に捉えているなと感じました。

高梨:それは特に意識しているのでそう言っていただけると嬉しいです。世の中だけじゃなく、自分自身のことも客観的に捉えるようにしています。

例えば、金髪にした理由も自分の性格と周囲の反応のギャップを客観的にみた結果、あえてするようになりました。笑

ー戦略的に金髪にしているんですか?

高梨:実はバイアウトを経験した後に僕のもとに来た話の多くが、スタートアップの経営経験があるからか、雇われ社長のオファーばかりで。正直全然やりたいと思えないのにオファーが続いて、断わり続けるのも苦痛で。

ーそれで、金髪に?

高梨:社会人で金髪の人ってちょっと頭おかしいじゃないですか。みんながそう思ってるんですよ。この人やっぱ癖あるぞ、みたいな感じで。笑

ー癖があると思われたかったんですか?

高梨:そうです。まず、金髪にすることでコントロール欲の強い人をスクリーニングすることができるんです、僕はそういう人やマウンティングしてくる人がほんと苦手で。癖が強いイメージを持たれると、そういう人は自然と離れていきますし、そもそも近づいてこなくなります。逆に面白がって近づいてくる人は、みんな癖があって、面白い人ばかりなんです。互いに癖があるからとても寛容ですし。面白いくらい周囲の反応や出会いが変わって、とても生きやすくなりました。笑

高松:そういえば、短髪時代の写真ある?

高梨:あるある、本当に普通の人。

ーわ!印象が全く違いますね!!!

高梨:見た目も情報なので。見た目が変わると付き合う人も変わります。見た目を変えるのはとても簡単なので、いろんな人に勧めてるんですけど・・・。なかなか金髪増えないですね。笑

ー高松さんが金髪にされたのも同じ理由ですか?

高松:高梨に1年間変えろと言われ続けて、金髪にしたんです。金髪にしたら、本当に相手の反応が変わる。勝手に自分のことを「面倒臭い人」と思ってくれて、コントロール欲のある人が弾かれていき、逆にニュートラルな人が寄って来た。自分が付き合いたい人たちが自然とフィルタリングされることで、だいぶ生きやすくなりましたね。

ー他人の目が気になって、やりたいことができない人が多い世の中ですが、高梨さんと高松さんは逆に他人の目を意識して、好きなことをやっているんですね。

高松:はい。金髪は私たちが好き勝手生きていくための大切な武器ですね。笑

もっとみんな好き勝手生きていいと思うんですよ。

自分の好きなことをして余裕を持って生きないと、人に対して優しくしたり、好き勝手やっている人に寛容になれない。みんな我慢しているから、人にも我慢を強いる風潮になる。みんなが好き勝手やるという選択をするようになれば、やさしい世界になっていいなと思っています。生きているだけでみんな互いに迷惑をかけている、と思ってるので。笑

夢なんか持たなくていい

ーみんなが好き勝手やる世界。お二人が目指すこれからの世界をお伺いできますか?

高梨:この2年くらい、時代をずっと追っかけてる感じで。なんか機体に乗っかってどうなるんだろう~って見てるイメージなんですけど。個人的な感想としては、今はあらゆることが個別化していってリベラルの反対が来ている。皆が、グローバルだよね、世界市民だよねってなってる。けど、僕は世界市民の限界がやってくると思っていて。結局みんなわかりあえない

高松:だったら、人や社会に寛容であるために、自分たちが楽しいと思う事をしていたい。自分たちがそういう生き方をしていて、共感してくれたり、一緒に何かをつくったり。そういう人と出会えたら楽しいですし、みんなが楽しそうなところに好きに移動できたり、していく世界がいいなと思います。

高梨:なんか水の波紋のイメージで、友達が増えていく感じですよね。

高松:ねぇねぇあっち楽しそうだよ!って人が集まってくるイメージ。よく世の中では夢を持てと言われますが、夢なんて持たなくていいというのが私たちの考えです。夢を持たなくても、もっと気楽に、いま楽しいと思う事を楽しめばいい。いまを楽しんでいたら、その輪は広がっていくと思うんです。楽しさは正義ですから!

ー楽しさは正義!いい言葉ですね。お二人のスタンスを踏まえた上で、直近の目標があれば教えてください!

高松:私たちのこれからの活動をお話しすると、自分たちの世界観に共感する人々が集まるようなプロダクトを年内に作る予定でいます。今は主にクライアントのコンサルをしていてプロダクトがないのですが、戦わずに、私たちだからこそやる価値があるテーマが見えたので、プロダクトをやろうと思えました。

これ(プロダクト)を機に、新しく共感してくれる人の輪が広がったら嬉しいですね。

チームビタミンにとって、人生とは?

ー最後に、お二人にとって人生とはなんでしょう!こちらの紙に書いて頂けると!

高梨:え。字が下手だから、書いて。

松:えー。なんて書けばいいの?笑

ーお!出来ましたね!

高梨:人生は「Additonal Life」です。

日本語にすると「おまけ人生」。人生おまけだと考えるくらいが気楽でいいなぁと思います。

ー高松さんはどうでしょう。

高松:私は、人生とは「フィクション」だと思います。

頭でイメージしたことって、結果はどうなるかはおいておいて全て実行はできると思うんです。出来ないとか上手くいかないというのは、ただ自分がそう思い込んでいるだけで、人生はいかようにも創れると思います。

チームビタミンとルームシェアしよう

ーお二人ともたまたまスタートアップに入り、バイアウト経験を機に自分、社会を客観的に見つめるようになり・・・きっかけさえあれば誰にでも起きうることだなと思いました。

高梨:そう思います。僕たち本当に普通の人なんです。自分を見つめ直すきっかけがあったかなかったかの違いだけだと思うんですよね。僕たちは、世界放浪で住む場所、出会う人を変えたことで、自分を見つめ直すことができました。

高松:そういう意味では、weeeksは住む場所を変えることで過ごす人も変えられる一石二鳥なサービスですよね。

1週間限定のルームシェア体験が出来るサービス

weeeksサイト:https://weeeks.jp

高松:ちなみにweeeksって私たちも企画できたりするんですか?

ーもちろんです!むしろ企画していただけるんですか?!

高松:やはりリアルで語り合うのが、価値観を伝えるのに一番いいと思うので。この記事を読んで興味もってくれた方がいたら、なんでも話しますし、私たちも知りたいですよね、そこで新しい発見もあると思いますし。

高梨:それめっちゃ面白い!ぜひやりたいです!

ー本当ですか!ありがとうございます!ってことで、早速作っちゃいました!笑

whymediaspecial

▼高梨さん高松さんとのルームシェア企画申し込みはこちらから

https://weeeks.jp/projects/34/


【お店情報】

カンティプール

地下にある店内は、大人の秘密基地のような落ち着いた空間でした。お二人がおススメの通り、料理が全て美味しい!そして、安い!取材班おススメは「チーズナン」です。

お店サイト:http://www.kantipur.co.jp/shop/tokyo.html

【営業時間】
[月~金・土・日・祝] ランチ:11:00〜16:00 LO15:30

[月~金・土] ディナー:17:00〜24:00 LO23:00

[日・祝] ディナー:17:00〜23:00 LO22:30

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