どこでも自由に仕事をしながら暮らせる世界。業界のキーマンが語る未来の暮らしの在り方

6月15日に民泊に関する新法が施行され、多くのメディアがこぞって取り上げたことで「民泊」の存在を知った方も多いだろう。

民泊:旅行者などが一般の民家に宿泊する、近年普及した新しいライフスタイルのカタチの意

今回Whyメディアでは、民泊業界最大メディアの「民泊大学」を立ち上げた、株式会社チャプタ−エイト代表の高野勇斗さんにインタビュー。

彼はなぜ「民泊」という市場での起業を選択したのかー。

民泊業界随一の知識と情報を持つ、高野氏が思い描く今後のライフスタイルとは?

働き方ではなく、サービスの拡大が本質

ー本日の取材場所は、高野さんオススメのカフェをご指定頂きました。

ここはCAFE;HAUS(カフェハウス)っていうお店で、住まいをテーマにしたライフスタイル発信型のカフェなんです。ライフスタイル発信ということで、今回の企画にぴったりだと思って。

CAFEHOUSEhttp://cafehaus.jp/

ーとっても素敵なお店ですね。このカフェにはよく来られるのですか?

自宅がこの近くにあるのですが、おしゃれな雰囲気なのでたまに来ます。集中できるし、自分の仕事をここで行うことも結構ありますね。

ーオフィスにはあまり行かれないのですか?

というより、僕たちはオフィスを持っていないんです。笑

基本的にはスタートアップに無料で貸してくれる場所で作業をしているので、固定オフィスは持っていません。たまに(今日のような)カフェを利用したりするのが最近の仕事のスタイルになってます。

ー従業員の方も、リモートワークをされているのですか?

そうですね、例えば民泊大学を担当しているメンバーは北海道にいるので、完全リモートです。正直オフィスを持つか持たないかはとても悩みました。 自分の中で「オフィスがいるかいらないか論争」をずっとしてたんです。笑

それこそ、最初の1年半程はリモートワークではなく、社員みんなで集まって仕事をしていました。でも、あんまり意味ないなと思い始めて。働き方が最優先事項ではなくて、サービスが大きくなることが一番大切だなって。売り上げが立てば立つほど、みんなガンガンやる気が出る。みんなと一緒にいてコミュニケーションを図りながら組織を育てるのは、後のフェーズだとわかったんです。

だから、オフィスを持たないことに決めました。とか言って、実はオフィスのトイレ掃除が嫌だっただけなんですけどね。笑

リモートワークを円滑に進める上で大切な事とは

ーリモートワークが本当に成り立つのか疑問を抱いている経営者の方も多いと思いますが、成り立たせるためのコツはあるのでしょうか。

まずは、トップ自身はリモートワークだろうが何だろうが如何なる場合もモチベーションが落ちないので、これは当然成り立ちます。

問題は従業員。スタートアップで働くモチベーションって、「この社長と仕事できるから」「この人の近くで成長したい」っていうのが大きくて、そうじゃないと成り立たないと思うのですが、リモートワークってその点において矛盾していますよね。

じゃあどうしているか。

僕は自身のブログもそうですが、「民泊大学」というメディアを運営していますが、民泊大学にはコミュニティページがFacebook内に存在します。そのコミュニティページに、僕自身の考えを綴った記事を、僕が投稿しているんです。そうすることで(間接的に)社員に対して、僕の考えている事が一挙手一投足伝わるようにと意識しています。あれは全公開されていますが社内向けですね。編集している人間も詳しくなりますし。

facebookの非公開グループ

ーそういった意図があったのですね。頻繁に高野さんの考えを伺えるので、実は私たちも良くチェックさせて頂いておりました。笑

若者はシェアハウスに住め!

ー高野さんと従業員の方との働き方はわかったのですが、一方で、従業員の方同士のコミュニケーションはどのようにして成り立たせているのでしょうか。

東京にいる従業員は、同じところに住ませています。

ー従業員の方をですか?

はい。上野から徒歩3分、3階建ての物件を借りて、若い従業員達を何人かで住ませています。僕自身が新卒で入った会社で大阪支社の立ち上げを経験したのですが、その時も(僕含めた)新卒3人ないし4人で一緒にルームシェアをしていました。シェアして住むと、若くてお金がない時には精神衛生上とても良いし、仕事の話もできますよね。

今の上野も、プライベートでも皆でワイワイ遊びに行ったりしているみたいで、とっても楽しそうで。なので、今後も若手が入ってきたらシェアして一緒に住ませますね。

「民泊大学」は俺の名刺でしかない

ー働き方や生活についてお伺いしてきましたが、今度は事業について教えてください!

大きく2つで、WEBメディアの「民泊大学」と、セルフチェックインサービス「ABCチェックイン」というアプリケーションです。

民泊大学:https://minpaku-univ.com/

ーワンプロダクトではなくて、一度に2つの事業を展開されているのですね!スタートアップとして、同時に2つの事業を行う意図はあるのでしょうか。

いい質問ですね。笑

民泊大学に関しては(民泊という)マーケットが小さいので、最終的にマーケットの中で僕らが業界を把握するため、習熟するためのツール、名刺代わりだと考えていました。例えば100万PVだとしても、マネタイズするイメージは全く湧かないんです。つまり、2つの事業を展開しているように見えますが、僕の中ではメイン事業は「ABCチェックイン」で、「民泊大学」はメイン事業を伸ばすためのツールという認識でいました。結果として、民泊大学は自社どころか業界を代表するメディアまで成長し、単体で黒字化しているのですが、メディアがあることで、メイン事業の集客を多方面から後押ししている感覚もあります。

ーメディアとプロダクト。そもそも何故メディアを始めようと思ったのですか。

民泊というマーケットを選択しましたが、そもそも(新法が出る前は)民泊自体がグレーだったじゃないですか。情報が少なかった。そして大企業が参入できない。そういう時に一番良いのは、その業界の大御所から情報を得ること。(情報を得る際に)大事なことは、その業界で一番大御所と言われる3人、トップランナーと言われる3社にアプローチすることだと考えました。この時に、情報を得るためにメディアを立ち上げる構想が浮かびました。

普通に「情報交換したいので、民泊のことを教えてください」と訪問したとします。ですが、こちらがまだ知識や経験がない場合その殆どが「情報交換」ではなくて、僕たちが一方的に教えてもらうだけの「情報搾取」になってしまうんですよね。僕は20代の頃、インドネシアのジャカルタに駐在していたことがあり、その時に日本から来た大企業の出張者や同世代の駐在員はだいたいそうでした。

一方で、例えば民泊のメディアを立ち上げて「僕たちメディアを運営しているんです。取材させてください!」と訪問すれば、お互いにメリットがあります。一方的な情報搾取にはならず、情報を聞いてそのお話を伺ったお返しをすることもできます。

そのような考えから、頭の片隅にメディアとして民泊業界に切り込む考えがありました。たまたま友人の新聞記者から独立する話を聞いて、これはやるしかないなと。それでメディアを始める事にしました。彼は今、うちの編集長です。

ーなるほど。民泊大学の名前の由来は何でしょうか。

硬派で文章が上手なイメージと言ったら、「大学」じゃないですか。民泊向けのメディアが数社すでに存在していたのですが、記事の内容が良くないし、文章自体も編集を通したマスメディアに比べ非常に稚拙だったというのもありました。それが理由です。

世界中の人々を交流させ、相互理解を促すことが大切

ーそもそもなぜ、民泊というマーケットを選んだのでしょうか。

民泊に限らず、言語や宗教、文化の壁をインターネットの力で超えたいと思っています。会社の経営目標でもあります。

そして僕は、「草の根の交流こそ、最大の安全保障になる」と確信しています。

例えば、中国にとても仲が良い友達がいて今度遊びにいくぜ!ってなって戦争するわけないですよね。自分の大切な友達がいる国に、ミサイルを打ち込めるわけがない。友達が1000人いる国にミサイルを打ち込めるわけがない。シェルターを作るよりもミサイルを作るよりも、交流させる、お互いを理解させる。どんどん友達を増やしていけばいいのです。これを浸透させることが世界平和への方法だと考えています。

(民泊は交流の場所を生み出しますが)これが、僕が民泊業界に携わる社会的な意義だと思っています。

「いつでもどこでも住める環境」を作りたい

ーとても素敵な企業理念ですね。そのような思いから選択された民泊業界ですが、今後高野さんが思い描く、業界での展望をお聞かせください。

僕は10代、20代の人たちと進んで仕事をしたり交流することを意識しているのですが、彼らを見ていて確信していることがあります。それは「weeeks」が目指している未来でもあるかもしれませんが、どこででも仕事が出来て、どこででも住むことが出来る世界は必ず来ますね。

北海道だろうが、東京だろうが、移動しながら仕事をして宿泊する。そのような未来が来た場合の宿泊施設を展開する。全国でコミュニティにする。僕がやりたいのは、そういう環境をつくるという事。それぞれの街で交流があって様々な体験をしながらも、仕事もできる。こういう世界ができたら、もっともっと楽しい世の中になると思い描いています。

20代で経験した点すべてが30代で繋がり、線となる

ーこれまでたくさんの事を経験されてきた高野さんの言葉だからこそ、未来の世界のお話に説得力があります。高野さんのFacebookを拝見すると、若者に向けた熱いメッセージ投稿をたまに拝見するのですが、Whyメディア読者の若者にも何かメッセージを頂けますでしょうか。

若いうちだからこそ出来る事って沢山あるんですよ。

ありきたりな挑戦しろとか後悔するなとかではなくて、純粋に若いうちに沢山の事をやっておいた方がいい。お願いすれば、上の人や先輩に相談できるし、話を聞いてもらえるし、それでなにより体力がある。いろんな面で有利なんですね。そういうのを、もっと活かしてほしいです。

スティーブ・ジョブズじゃないんですけど、僕自身20代に経験した多くの点が、30代になった時に線に繋がったんですけど、いろいろ助けてもらえるんですよ。周りの先輩や人たちが、僕の行動や言動を見ていてくれてたんですね。だから皆さんも、目の前にあることが無駄かどうかなんて悩まずに、休む間も無く攻め続けてほしいその方が絶対将来得をします。

あ、20代でやることが見つからなくてエンジニアでもなくてそれでも起業したい人は、全員自分の好きなテーマでウェブメデイアを始めればいいと思います。文章を書くのが上手くなるし、人を集める事ができるし、報道枠で入れるイベントは無料で行くことが出来る。笑

イニシャルコストは、ワードプレスの10000円とサーバ-代の500円だけ。実はめちゃくちゃコストパフォーマンスが高いんですよね。笑

とにかく若いうちにやれるとこまでめちゃめちゃ動いて欲しい。これが若い皆さんに伝えたいことですね。

ー20代の1人として、とても胸に響きました。実はこのWhyメディアも、高野さんのアドバイスを聞いて立ち上げに至りました。これからも次世代のライフスタイルを楽しむ人を沢山発信できるよう、メンバー一同攻め続けます!本日は、ありがとうございました!


株式会社チャプターエイト

http://www.chapter8.jp/

CAFE HOUSE

http://cafehaus.jp/

“CAFE;HAUS”(カフェハウス)は、東京・豊洲にあるカフェです。

「地域コミュニティの創造とライフスタイルの提案」をコンセプトに、
住まいをテーマにしたライフスタイル発信型カフェとして、自宅のようにくつろげる住空間を表現しています。

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